基礎化粧品の効果を左右する『成分』。
乾燥にはセラミドやヒアルロン酸、お肌のハリにはコラーゲンやグロースファクターなど、狙う効果によって選ぶ成分が異なってくるのは皆さんご存知のことでしょう。
でも、あまり成分にこだわりすぎるのもちょっと考え物。
最近では「あの成分は危険!」「この成分なら安全◎」といった情報がたくさん発信されていますが、本当にこれらの情報は正しいものばかりなのでしょうか。
ということで今回は基礎化粧品を選ぶ上で無視できない“成分”についてまとめていきたいと思います。
目次
美容成分の効果を徹底的にリサーチすべし!
まず最初にお肌に良いとされているスキンケア成分についてです。
数多くの基礎化粧品に配合され、美肌効果があるとおすすめされているセラミドやヒアルロン酸。
これらの成分は確かにお肌の乾燥を防いだり、肌のバリア機能を修復する作用がある頼もしい成分です。
ただしここで注意したいのが、セラミドやヒアルロン酸には様々な種類があるというポイント◎
セラミドの種類と特徴は?
セラミドにはヒト型セラミドや天然セラミド、植物性セラミドに疑似(合成)セラミドなど複数の種類があり、それぞれ原料が異なります。
ヒト型セラミドは酵母を利用して作れたセラミドで、その名の通りヒトの肌内部にあるセラミドとほぼ同じ構造をしているもの。
天然セラミドは馬や豚など動物の脳やせき髄から抽出されたもので肌に浸透しやすく、なじみやすいという特徴があります。
疑似セラミドは安価で大量生産がしやすいため、リーズナブルな化粧品に広く使用されていますが、ヒト型セラミドや天然セラミドに比べると期待できる効果は低め。
▼セラミドについて詳しくは

ヒアルロン酸の種類と特徴は?
ヒアルロン酸に関しても、角質層に浸透しやすいよう分子量を小さくしている低分子ヒアルロン酸から高分子ヒアルロン酸までその種類は様々です。
低分子ヒアルロン酸は浸透性が高く、サラッとした使用感でヒアルロン酸特有のベタつきが気になる人におすすめ。
逆に高分子ヒアルロン酸は、浸透性は低いものの、しっとり感があり、長時間保湿効果が持続するという特徴があります。
▼ヒアルロン酸について詳しくは

細かい成分チェックが大切〇
と、このように『セラミド』『ヒアルロン酸』と一口に言っても、それぞれ得意分野が異なり、期待する効果によって選ぶべき成分が異なってくる…というワケ◎
どの成分が使われているかは、スキンケアアイテムのパッケージなどに記載されている成分表示を見れば確認することが出来ます。
お肌に良いとされている成分を片っ端から試していくのも無駄ではありませんが、より高いスキンケア効果を求めるのであれば、さらに細かく配合成分をチェックされることをおすすめします。
“防腐剤=危険”は本当に正しいのか?
近頃よく目にする『危険』というキーワード。
「〇〇は危険!」「〇〇が入っているスキンケアアイテムは避けるべし!」といった情報がたくさん発信されていますよね。
特に多いのが、パラベンやエタノールといった添加物。
確かにこれらの成分は本来肌に必要のない成分です。
製品が劣化しないよう防腐剤として入れられているものや、水と油がなじむように入れられているので、スキンケア効果があるものでは決してありません。
また、パラベンやエタノールは刺激を感じやすい人が多いのも少なからず事実。
でも、だからといって「危険」とまで言ってしまうのは行き過ぎな感じがしないでもありません。
防腐剤無しは安心なの?
そもそも防腐剤が入っていない場合、スキンケア製品の品質は守られるのでしょうか。
化粧品にはカビや細菌の栄養になる成分が多く含まれているため、微生物が増殖しやすいということを忘れてはいけません。
防腐剤が含まれた化粧品を使うより、劣化した化粧品を使う方がよっぽど肌に悪いと警鐘を鳴らす専門家も少なくないのです。
劣化した化粧品の使用は、肌老化を加速させるだけでなく、お肌に深刻なトラブルをもたらしかねない怖~いもの。
成分にアレルギーがある場合は避けるのが◎ですが、添加物が完全に悪者扱いされてしまうのは偏りすぎている気がしてなりません。
化粧品の成分解析サイトは参考にするべき?
スキンケア製品を選ぶ際に、成分解析サイトや成分解析本を参考にされている方も多いのではないでしょうか。
この成分にはどのような効果があって、あの成分にはこのような肌リスクがある…。
yahoo!知恵袋などを見ても、化粧品の成分に関する質問がたくさん投稿されています。
でも、この成分解析は本当に役に立つのでしょうか。
解析サイトや解析本に書かれているのは〇〇
そもそも解析サイトや解析本に書かれているのは、『その成分の作用』についてです。
でも実際に重要になってくるのは、『どのくらいその成分が配合されているのか』というポイント。
例えば、Aという化粧品に15種類の成分が含まれているとします。
その15種類は、美肌効果のある美容成分12種類と添加物3種類だったとしましょう。
解析サイトなどでは、この“成分だけ”を見てその化粧品の良し悪しが判断されていますよね。
成分の配合比率を知るのはメーカーのみ
しかし、当然のことながらこの15種類の配合割合はメーカーしか知り得ません。
美容成分が90%、添加物が10%かもしれませんし、美容成分と添加物の割合が半々である可能性もあるのに…、成分だけを見て「この化粧品はオススメ!」「このスキンケア製品はイマイチ!」と判断するのはかなり強引な気がしてしまいます(^^;
確かに解析サイト等は成分の作用を知りたい人にとっては便利なツールかもしれません。
が、その結果だけを見て判断するのはそれこそ危険。
解析サイトなどでイマイチと言われているものでも、自分の肌にはバッチリだった…なんていう可能性もありますしね♪
自らその可能性を狭めてしまうのはもったいない!
最近ではサンプルやトライアルセットなど便利なお試しスキンケアアイテムも増えていますので、気になったものは“調べる前”に“試してみる”ことをオススメします。
【知っておくべき】無添加コスメにも添加物は入っている!
皆さんは『無添加化粧品』がどのようなものかをご存知でしょうか。
肌トラブルが起こらない。
このようなイメージを持っている方が多いことでしょう。
確かに無添加化粧品は、そうでない化粧品に比べて刺激が少なくお肌にやさしいものが多い傾向にあります。
ただし『無添加=添加物が一切含まれていない』というワケではありません。
無添加の定義って?
スキンケア製品やコスメにおける無添加とは、旧表示指定成分が配合されていないもののことを言い、この旧表示指定成分とは、1980年にアレルギーの危険性が認められるとされた102種類の成分を指します。
1980年…。
今から40年近くも前に指定された成分が入っていないものを無添加化粧品と呼んでいるというワケです。
ちなみにこの40年近い年月の間に、102種類の成分の中でも安全性が高まったものは少なくありませんし、逆に新しく作られた成分で安全性が不透明なものもあります。
でも無添加=旧表示指定成分フリーのスキンケア製品やコスメを指すのは変わらず。
この事実を目の当たりにすると、必ずしも無添加が安全とは言い切れないのではないでしょうか。
冒頭でも書いているように、無添加化粧品が肌に負担がかからないよう工夫されているのは間違いありません。
多くの敏感肌さんにとって頼りになるスキンケアの相棒になってくれることでしょう。
ですが、だからといって『無添加』という言葉を信じすぎるのも…ちょっと考え物かもしれませんね。
便利な時代だからこそ信じられるのは自分だけ!
ネットでサクッと美容情報が見られる便利な昨今。
ですが、便利=誤情報に振り回されるリスクが増える、ということもしっかり頭に入れておきたいところです。
便利な時代だからこそ、本当にその情報は正しいものなのかをしっかりと見極めていくことが大切。
見たものをそのまま受け取るのではなく、得た情報を自分で再リサーチする…くらいの慎重さを持っておきたいですね◎